BTCPay Serverの使い方:ビットコイン決済を自社で簡単に導入するために

1. BTCPay Serverとは?

BTCPay Serverは、ビットコインやライトコインなどの仮想通貨で決済を受け付けることができるオープンソースの決済システムです。既存の決済システムと異なり、手数料や取引制限がなく、全ての取引をプライバシーを保ちながら安全に行えるのが特徴です。PayPalやStripeなどの決済プロバイダーを利用することなく、自社でホストすることで第三者に依存しない独立した決済システムを構築できるため、特にビットコインに関心のある企業や個人には最適です。

2. BTCPay Serverの主なメリット

  • 手数料なし:BTCPay Serverを使うことで取引手数料がかからず、ブロックチェーンの送金手数料のみで決済を完了できます。
  • プライバシー重視:データを第三者に渡すことなく自社で管理可能。プライバシーが保護されます。
  • オープンソース:無料でソースコードが公開されているため、カスタマイズが可能です。
  • 高い信頼性:第三者に依存しないため、サービス停止のリスクが低減されます。
  • 多通貨対応:ビットコインをはじめ、ライトコインや他の主要仮想通貨にも対応しています。

3. BTCPay Serverのセットアップ方法

Step 1: 必要なものを準備する

  • サーバー:BTCPay Serverをホストするためのサーバー(VPSやクラウドサーバーでも可能)。
  • ドメイン:サーバーへのアクセス用のドメイン名。
  • SSL証明書:セキュアな通信を実現するために必要です(Let’s Encryptなどの無料SSLを使うと簡単です)。

Step 2: サーバーにインストールする

以下のように、サーバーにBTCPay Serverをインストールします。インストールにはDockerを使うと簡単です。

  1. Dockerのインストール:bashコードをコピーするsudo apt update sudo apt install docker.io docker-compose -y
  2. BTCPay Serverのインストール: GitHubからインストールスクリプトを取得し、実行します。bashコードをコピーするgit clone https://github.com/btcpayserver/btcpayserver-docker cd btcpayserver-docker . ./btcpay-setup.sh -i
  3. ドメインとポートの設定: インストール中にドメインとポートの設定が求められるので、自分のドメイン名を指定します。Let’s Encryptの無料SSL証明書を使ってHTTPS通信を設定することも可能です。

Step 3: 管理画面にアクセスする

セットアップが完了すると、指定したドメイン名でBTCPay Serverの管理画面にアクセスできます。初めてアクセスした際には、アカウントを作成してログインします。

4. 支払い方法の設定

ログイン後、支払いを受けるためのウォレットを作成または接続します。

  1. ウォレットの接続:BTCPay Serverにウォレットを接続することで、受け取ったビットコインを直接管理できるようになります。
    • 新規ウォレットを作成する場合:管理画面で「ウォレットを作成」を選択します。
    • 既存のウォレットを接続する場合:ウォレットのXPUBキーや公開アドレスを使って接続できます。
  2. 通貨の選択:支払いに対応する仮想通貨(ビットコイン、ライトコインなど)を選択します。

5. 支払いリンクやQRコードの生成

BTCPay Serverを使用すると、決済ページへのリンクやQRコードを簡単に生成できます。これにより、顧客が支払いリンクをクリックするか、QRコードをスキャンするだけでビットコインなどの仮想通貨で支払えるようになります。

  1. リンクの作成:管理画面で「請求書作成」を選び、請求額を入力すると支払いリンクが生成されます。
  2. QRコードの生成:生成されたリンクをQRコード化し、メールやウェブサイト上に貼り付けます。

6. WooCommerceやShopifyとの連携

オンラインショップを運営している場合、BTCPay ServerはWooCommerceやShopifyと連携してビットコイン決済を簡単に導入することができます。これらのプラグインを使えば、商品購入時にビットコイン支払いを選択できるようになります。

  • WooCommerceプラグインの設定
    1. BTCPay ServerのプラグインをWordPressのWooCommerceにインストールします。
    2. プラグインを有効化し、BTCPay ServerのAPIキーを入力します。
    3. プラグインの設定ページから、支払い方法としてビットコインを選択します。

7. 決済プロセスと顧客体験

顧客が商品を購入する際、支払いリンクまたはQRコードを利用してビットコインを送金します。送金が完了すると、BTCPay Serverはそのトランザクションを自動で検証し、支払いが完了したことを確認します。この一連のプロセスはリアルタイムで行われるため、顧客もスムーズに支払いができます。

  • 顧客は以下の流れで購入可能
    1. 商品をカートに追加し、決済画面に進む。
    2. ビットコイン支払いを選択し、BTCPay Serverが生成した支払いリンクにアクセス。
    3. QRコードをスキャンして支払いを完了。

8. トラブルシューティングとよくある質問

Q1: ウォレットの同期がうまくいかない

  • BTCPay Serverのウォレット設定が正しいか確認しましょう。また、XPUBキーが間違っていないかも確認してください。

Q2: 支払いが反映されない

  • ブロックチェーン上でトランザクションが承認されるまでに少し時間がかかることがあります。通常、数分以内に反映されますが、ネットワークの混雑状況によって変わることもあります。

Q3: 決済リンクが機能しない

  • ドメインのSSL証明書が正しく設定されているか確認し、ブラウザのキャッシュをクリアしてから再度試してみてください。

まとめ

BTCPay Serverは、ビットコイン決済を自社で簡単に導入できる優れたオープンソースツールです。無料で手数料もかからず、プライバシーを保ちながら安全に取引を行えるため、多くの企業や個人事業主にとって有用です。サーバーのセットアップやウォレットの設定さえ完了すれば、あとは顧客に対してシンプルなQRコードやリンクを提供するだけで、仮想通貨での支払いをスムーズに処理することができます。

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